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酒の成分

1999年10月


ここ数年、日本酒の成分表示として、日本酒度、酸度などの数値を表示して、味の目安にすることが多くなって来ました。すでに良くご存知の方も多いと思いますが、今回はこの数値に関してまとめてみました。ご参考にしてください。

【日本酒度】

日本酒の比重を表す数字です。普通は「日本酒メーター」と呼ぶ比重計(浮き)を使って測定します。日本酒中のエキス分(主に糖分)が多いと比重が大きくなるため、浮きが持ち上がり数値は小さくなります(マイナス方向)。逆にエキス分が少なくなると、浮きは沈み数値は大きくなります(プラス方向)。日本酒度の数値は酒の中のエキス分を表しているわけです。

日本酒のエキス分は主に糖分なので、日本酒度が小さい(エキス分が多い)ほど糖分が多い、すなわち甘口の酒であろう、ということが解ります。日本酒度が-10の酒はたぶん甘口ですし、+20の酒は間違いなく辛口です。

ただし、日本酒の味は糖分だけで決まるのではなく、酸度やアルコール分、飲むときの温度などにも大きく左右されますので、-1の酒と+1の酒とを比べてどちらが甘口かは一概に決めることはできません。

【酸度】

酸度は日本酒中の酸(おもにコハク酸、乳酸など)の総量で、100ml中の1規定の酸の量で表します。

日本酒中の酸の量が多くなると、酸味が増すだけでなく、味が濃く感じられたり、辛口に感じられたりします。逆に酸の量が少なくなると、味が薄く感じられます。

【甘辛と日本酒度、酸度の関係】

先にも書きましたが、現在一般的には、日本酒度がマイナスであれば甘口の酒、日本酒度がプラスで数字が大きくなるほど辛口の酒であるといわれています。これは間違いではないのですが、日本酒度が+3の酒と+5の酒とを日本酒度だけで比べて+5の方が辛口である、と決めつけるのは間違いです。

理由の一つは、日本酒度は日本酒中のエキス分を示す数値であり、甘さのもととなる糖分を示す数値ではないからです。日本酒度が同じでも、糖分の量は同じとは限りません。

また、日本酒の甘辛は、糖分だけでなく、酸味によっても変わってきます。酸度が小さいほど甘口に、逆に酸度が大きければ辛口に感じます。例えば、日本酒度-1、酸度2.0の酒と、日本酒度+1、酸度1.1の酒では、後者の方が甘く感じるはずです。

日本酒度と酸度の組み合わせでは、日本酒度が小さく(マイナス方向)酸度の大きい酒は濃醇に、逆に日本酒度が大きく(プラス方向)酸度の小さい酒は淡麗に感じられます。大雑把にまとめると下の表の様になります。

  日本酒度
マイナス方向←  プラス方向
酸度 小さい 淡麗、甘口 淡麗、辛口
大きい 濃醇、甘口 濃醇、辛口
 

その他、飲むときの温度によっても日本酒の印象は変わります。温度が低いと端麗に感じられますし、いわゆる人肌の燗(40度前後)にすると甘みがぐっと引き立ちます。

誰もがご承知のように、お酒の味は単純に数値だけで決まるものではありません。あくまでも目安に使ってください。当社の製品の成分に関しては、一覧を用意していますので、お気軽にご請求ください。

 

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