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真夏の宴

1994年8月


涼しい信州でも夏の会合にはビールがメインになる酒席 が多くなってきました。汗を拭きながら冷えたビールで 喉を潤す快感は、格別のものがあります。

さらに、その後に良く冷えた清酒をグラスに注ぎ、グイ と空けると、楽しみは倍増します。昔は冷や酒というと、 良いイメージを持たない人もいましたが、最近では生酒 や冷蔵庫で冷やした酒の旨さが見直されています。とは 言うものの、夏は日本酒は敬遠される向きもあるようです。

しかしながら、酒は土用を越して旨くなると昔から言わ れています。特にどっしりとした酒蔵で生のまま土用を 越した酒についてはそう言えます。

貯蔵庫に並んだタンク【写真:貯蔵庫に並んだタンク】

御園竹の酒蔵はすべて厚さ一尺(30cm)もの壁の土蔵で、 また屋根は泥板の上に一尺の厚さの土が置かれています。 土の上には北風が自由に吹き抜ける一尺の空間があり、 その上に風雨を避ける瓦屋根が置かれています。そのた め私どもの酒蔵の中は、夏でも春先と同じ二十度以下の ままに保たれているのです。思わずも、これを建てた故 人の偉大な知恵に敬意を払わされます。

そんな蔵の中から、冬期に醸造されてから土用の暑さを しのいで静かにゆっくり熟成していった御園竹や牧水が 消費者の口に届けられていくのです。

これからが酒の本当の旨味が味わえる季節に近づいてい くのだと言えましょう。

呑切その後

先月の便りでお知らせした当社の「初呑切(はつのみき り)」は七月二十日に無事終わりました。すべての貯蔵 タンクの酒一本一本の利き酒をしましたが、当社の酒は すべて問題なく順調に熟成しており、社長、杜氏始め社 員一同ほっとしております。

七月二十一日には、佐久酒造組合の全社が各社の酒を持 ち寄って勉強会をしました。どの社の酒も順調に熟成し ているようです。また、七月に新しく着任された佐久税 務署の神田学署長より、今春の関東信越国税局の品評会 の優秀賞の賞状が、国税局長からの伝達で当社に授与さ れました。

[追加] 1995年の初呑切の様子をまとめました。

夏の飲み方いろいろ

夏にあった日本酒の飲み方のいくつかを紹介します。消 費者の皆様にお酒を薦めるときの参考にしてください。

生酒を冷やで

生酒を冷蔵庫で十分に冷やしてから呑みます。 新酒と変わらない新鮮な香りが味わえます。レモンを添 えるのもおしゃれです。口当たりが爽やかなので、つい 飲み過ぎてしまうと後が大変ですので、ご注意ください。

オンザロック

原酒などのアルコール度数の高いお酒は氷を浮かべてオ ンザロックにすると、アルコールが適度に薄まり呑みや すくなります。吟醸酒もアルコール度数が十七度以上と 高く、また、あまり冷やしすぎると香りがでなくなって しまうので、オンザロックをお薦めします。なお、純米 吟醸はアルコール度数が十五度なので、氷を入れず、冷 蔵庫で冷やした方が良いでしょう。

燗ロック

最近になって開発された新しい飲み方で、お酒を熱燗に して、すぐに氷を入れたグラスに注ぎます。適度にアル コール分が下がるので、日本酒は好きだけれどもアルコー ルには弱いという方は一度お試しください。

 

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