page_002
1994年8月
涼しい信州でも夏の会合にはビールがメインになる酒席 が多くなってきました。汗を拭きながら冷えたビールで 喉を潤す快感は、格別のものがあります。
さらに、その後に良く冷えた清酒をグラスに注ぎ、グイ と空けると、楽しみは倍増します。昔は冷や酒というと、 良いイメージを持たない人もいましたが、最近では生酒 や冷蔵庫で冷やした酒の旨さが見直されています。とは 言うものの、夏は日本酒は敬遠される向きもあるようです。
しかしながら、酒は土用を越して旨くなると昔から言わ れています。特にどっしりとした酒蔵で生のまま土用を 越した酒についてはそう言えます。
【写真:貯蔵庫に並んだタンク】
御園竹の酒蔵はすべて厚さ一尺(30cm)もの壁の土蔵で、 また屋根は泥板の上に一尺の厚さの土が置かれています。 土の上には北風が自由に吹き抜ける一尺の空間があり、 その上に風雨を避ける瓦屋根が置かれています。そのた め私どもの酒蔵の中は、夏でも春先と同じ二十度以下の ままに保たれているのです。思わずも、これを建てた故 人の偉大な知恵に敬意を払わされます。
そんな蔵の中から、冬期に醸造されてから土用の暑さを しのいで静かにゆっくり熟成していった御園竹や牧水が 消費者の口に届けられていくのです。
これからが酒の本当の旨味が味わえる季節に近づいてい くのだと言えましょう。
先月の便りでお知らせした当社の「初呑切(はつのみき り)」は七月二十日に無事終わりました。すべての貯蔵 タンクの酒一本一本の利き酒をしましたが、当社の酒は すべて問題なく順調に熟成しており、社長、杜氏始め社 員一同ほっとしております。
七月二十一日には、佐久酒造組合の全社が各社の酒を持 ち寄って勉強会をしました。どの社の酒も順調に熟成し ているようです。また、七月に新しく着任された佐久税 務署の神田学署長より、今春の関東信越国税局の品評会 の優秀賞の賞状が、国税局長からの伝達で当社に授与さ れました。
夏にあった日本酒の飲み方のいくつかを紹介します。消 費者の皆様にお酒を薦めるときの参考にしてください。
著作・制作: 武重本家酒造株式会社
Copyright (c) 1994-2000 Takeshige Honke Shuzou
Corp