寒い季節には、体も心も温まる燗酒がしみじみとおいしく感じられます。本記事では伝統的な生酛(きもと)造りのお酒をブレンドした「御園竹」、生酛造りで仕上げた「牧水生酛本醸造」、「牧水生酛純米」の3種を燗にし、それぞれの味わいを比較しました。これらの日本酒に合わせるペアリングレシピとしてマグロ・アボカド・キウイを使ったタルタルをご提案。ぜひお試しください。
「御園竹」「牧水生酛本醸造」「牧水生酛純米」のペアリング
【お酒の温度帯】
「マグロとアボカドとキウイの3色タルタル」には、人肌~ぬる燗(35~40℃)がおすすめです。マグロとアボカドのもつ脂がとろけて豊かでクリーミーな味わいが引き立ちます。そしてキウイの甘酸っぱい香りが全体のバランスを整え爽やかな余韻に。

【各銘柄の特徴とペアリングポイント】
「御園竹」はふくらみのある味わいが特徴でマグロとアボカドのまろやかな風味を包み込むように調和します。キウイは控えめに口に含むことでバランスの取れた味わいに。
「牧水生酛本醸造」はやや辛口で、じっくり醸された米の旨味が感じられます。アボカドのコクと交わり深い味わいを形成。キウイの酸味が加わることで、エキゾチックなテイストが引き立ちます。
「牧水生酛純米」は力強い味わいと絶妙な酸味と甘味のバランスが特徴。タルタルの脂を心地よく切り、双方のおいしさを際立てます。キウイとの相性も抜群で、フルーティな風味が華やかに演出。
同じ料理でも日本酒の種類や燗の温度によって味わいの変化が楽しめます。ぜひ、お好みに合わせてさまざまな組み合わせを試してみてください。
レシピ「マグロとアボカドとキウイの3色タルタル」

※セルクル(7.5センチ)を使用
マグロ 1柵(約100g)
アボカド(小) 1個
ゴールドキウイ 1/2個
バルサミコ酢 小さじ2
白だし 小さじ1弱
塩 小さじ1/4
クレソン 適量
白こしょう 適量
1.マグロは5ミリ角弱に粗みじんにします。ボウルに白だしを入れてよく混ぜ、冷蔵庫で30分冷やします。
2.アボカドは皮をむきタネを取って粗みじん切りにし、ボウルに入れてバルサミコ酢と塩であえます。
3.キウイは皮をむいてタネの部分を取り除いて粗みじんに切りにします。
4.皿にセルクルを置き、アボカド、マグロ、キウイの順に重ねて詰めます。ラップをかけて10分ほど冷蔵庫で冷やします。
5.セルクルをそっと取り、白こしょうをかけ、彩りにクレソンを添えて完成です。
ポイント
下層の方をやや大きめにカットすると全体のバランスが整います。アボカドとマグロとキウイの比率は2:3:1がおすすめです。
森のバターと呼ばれるアボカド

「森のバター」の愛称で知られるアボカドは、良質な脂肪分と豊富なビタミンEを含む栄養価の高い果実です。その歴史は古く、紀元前1万年前のメキシコ・プエブラの洞窟から痕跡が発見されています。現代では世界中で愛され、メキシコの「ワカモレ」やペルーの「パルタ・レジェーナ」など、各国で特色ある料理が生まれました。和食でもアボカド丼やすしのネタとして親しまれ、その濃厚な味わいはさまざまな料理のアクセントとして重宝されています。ぜひアボカドの魅力を日々の食卓に取り入れてみてください。