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瓜の粕漬(奈良漬け)

[一般的な漬け方] [当家秘伝レシピ]

※写真をクリックすると、数多くの写真を使った説明をご覧になれます。ただし、写真の点数が多いために、読み込みまでに時間がかかりますのでご注意ください。

当家秘伝レシピ

これは、わが家独特の瓜の粕漬けの方法です。この方法は、一般的な漬け方の倍近くの酒粕(練り粕)を使用しますので、酒屋などの粕がふんだんに手に入る家でしか出来ない方法ですが、砂糖でなく粕の甘みが充分にしみこんで、ひと味違う瓜が出来上がります。家庭で瓜を漬ける時に、一度試してみてはいかがでしょうか。

酒粕は、毎年7月の後半から8月の中旬にかけ 当社で発売も致しております。

お問合せは、武重本家酒造株式会社まで。TEL 0267-53-3025 
MAIL info@takeshige-honke.co.jp

 

漬け方

 

瓜の収穫
【瓜の収穫】

瓜を収穫します。

  1. 瓜は、天気の良い日の早朝を選んで収穫します。これは、後の工程で、瓜を天日にさらす必要があるためです。
  2. 瓜は4月下旬に畑に種を蒔きます。その年の天候にもよりますが、大体8月の上旬から収穫できるようになります。瓜は大体20cm程度の大きさになったものを収穫します。だいたい、二週間ほどの間に四〜五回に分けて収穫します。瓜は、日照り草と呼ばれるように、晴天続きの年には成長が早いので、いっぺんに収穫できる数が多くなります。
  3. 必要な数がとれたら、それ以上は必要ないので、蔓を取り去ってしまいます。これを「蔓上げ」と呼んでいます。
 

瓜の種取り
【瓜の種取り】

瓜を収穫したら、なるべく急いで種を取って、天日にさらします。

  1. まず、瓜を洗います。洗うといっても、瓜についている泥を落とし、うぶ毛を取り去るだけなので、ごしごしと洗わずに、タオル等で軽くなでるように洗います。
  2. 洗い終わった瓜は、へたとお尻の部分を切り取り、縦に半分に割ります。
  3. 次に瓜の種を取り去ります。硬貨を使って、実と種の間に切れ目を入れて、種を掘り出します。大きくて薄い硬貨が使いやすいので、家では昔の銅貨を瓜の種取り専用に使っています。もちろん、大きめのティースプーンを使っても構いません。

 

瓜の天日干し
【瓜の天日干し】

種を取った瓜の内側に塩を塗り、天日にさらします。

  1. 塩を、種を取ったくぼみに塗りこみます。塩の量は、大体、指二本をそろえた上に山盛りになる程度の量です。
  2. 塩を塗った瓜は、切った面を上に並べて、日のあたる場所に干します。大体四から五時間ほど干すと、種を取ったくぼみに瓜から出た水が溜まります。この水を捨てて、日陰に取り込み、熱を冷まします。

 

瓜の生漬け
【瓜の生漬け】

熱が冷めた瓜を、粕に漬けます。これを「生漬け」(なまづけ)と呼んでいます。

  1. カメを用意します。漬けて置く間に、瓜から水分がでるので、それを溜めるために、カメの底には、木の板を入れたり、お皿などを伏せて入れたりして、水分が溜まる場所を作っておきます。
  2. 瓜の種を取った窪みに、塩を詰めます。窪みの六分目くらいまで入れて構いません。塩は好みに応じて減らしても良いのですが、あまり少ないと瓜が酸っぱくなりますので、適当に加減してみてください。
  3. 生漬けに使う粕は、売っている練り粕をそのまま使います。(当家の場合は、もちろん御園竹/牧水の粕を使います)。瓜漬けをする人の中には、白くて硬い練り粕を好む人が多いようですが、生漬けをする時には柔らかめの粕を使った方が良いようです。
  4. 塩の上に、粕をたっぷり詰めます。最初は粕を載せる感じで置き、その後手のひらで広げてふたをするように押さえます。
  5. 粕を詰めた瓜を、カメの中に伏せます。最初はカメの底に粕を平らに敷き詰めておき、その上に瓜を伏せて、隙間の無いように並べます。
  6. 瓜を隙間の無いように並べるためには、いったん瓜を並べてみて、それから塩と粕を詰めた後に瓜を伏せるとうまくいきます。瓜の大きさは同じではないので、パズルのようにいろいろと並べ替えてみると良いでしょう。
  7. 瓜を平らに並べ終わったら、その上に塩を振り、瓜が隠れるように、粕を平らに載せます。
  8. 粕の上にまた瓜を置き、これを繰り返してカメ一杯まで漬けたら、上にラップを敷き、蓋をして目張りをします。これで一年間冷暗所で保存します。
 

前年の瓜の取り出し
【前年の瓜の取り出し】

生漬けで一年保存した瓜を漬け換えます。

  1. 漬け換えをするに先だって、前年に生漬けした瓜を全て取り出します。後に残った粕を「抜け粕」と呼んでいます。この粕は生漬けの時に使った塩を多く含んでいます。この抜け粕3.5キログラムに砂糖1キログラム混ぜて、その中に取り立てのキュウリや茄子などを生のまま(塩をせずに)漬けると、一晩で歯ごたえのある即席漬けが作れます。また、この砂糖を混ぜた抜け粕に、種を取った瓜を生のまま一週間〜二週間ほど漬けると、簡単な瓜の粕漬けが出来上がります。当家では、お盆の時のお客様に出す簡単な漬け物を作る時に、抜け粕漬けを重宝しています。
  2. 粕を用意します。当家の場合は、いろいろな粕が手にはいるので、普通の粕と吟醸粕を半々に混ぜて使っています。市販の粕だけで漬けても問題はありません。
  3. 粕4キログラムに対して、砂糖を1キログラム入れて、まんべんなく混ぜておきます。砂糖が入るので粕は柔らかく、ペースト上になります。
 

瓜の漬け換え
【瓜の漬け換え】

取り出した生漬けの瓜を、漬け換えます。

  1. カメの底に、木の板やお皿を伏せておくのは、生漬けのときと同じです。その上に粕を平らに敷き詰めます。生漬けの時と違って、塩をふる必要はありません。
  2. 粕の上に、瓜をきちんと並べ、その上にまた粕を敷き詰めます。粕は少し厚めに敷いた方が良いでしょう。粕の量が少ないと、瓜の中の塩分が沁み出さず、塩っぱくなります。
  3. 二段目以降に瓜を並べる時には、下の段と直角になるように並べてください。といっても、あまり厳密にする必要はなく、向きが変わっていれば充分です。
  4. カメ一杯に瓜を漬け終わったら、ラップを敷いて、蓋をきせて目張りをします。
  5. 漬け直して三カ月もすれば、粕の味がしみこみます。大体次の年の夏頃まではおいしく食べられます。夏を過ぎると、酸味が出てきてしまいます。

目張り
【目張り】

漬け終わったカメには、必ず目張りをしてください。

  1. これは、ショウジョウ蝿などが湧くのを防ぐためです。わが家では、新聞の折り込み広告の紙を短冊形に切って、ヤマト糊を薄めたもので二重に目張りをします。めんどうな方は、新聞紙などを二重に被せて、口を縛っておけば良いでしょう。ビニール袋を被せると蒸れてしまいますので、紙の方が良いでしょう。
  2. 漬けた年月日は忘れずに張っておいた方が良いでしょう。

 

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What's New(最新情報) Last update 2000/09/27